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水

​「水つくり」開発ストーリー
水物語その58 土と水の自然学制作秘話

今回は

私が水つくりの開発する前のお話しをします。

最初にお話ししたいのは、

水物語その2で紹介した

記録映像「土と水の自然学」を

作った時のことです。

 

1988年の秋。

大学時代に学生運動で一緒だった友人から、

「博士の技術を紹介する

記録映画を作ってくれないか」

と頼まれました。

なんでも、彼は自然の土と水が出来る

原理を解明して

全国の畜産や食品加工業、マンションなどで

実際に結果を出しているというのです。

当時の私は、食品添加物やごみ問題、

スポーツや野生の生き物などをテーマにした

ビデオや番組を作っていました。

しかし最初の作品以来、

「水」のことはずーっと気になっていたので

喜んで引き受け、

まずは内水博士とお会いすることになりました。

グループ現代の代表をしていた

盟友の小泉修吉君と一緒に会いに行き、

その日はお酒も交わしながらでしたので

気がつけば7時間も話していました。

他にも誰か居ましたが覚えていません。

すっかり遅くなったので

小泉君と二人で飯田橋のビジネスホテルに

泊まることにしましたが

「これは大変なことに出会った。

やらなければならない。だがどうやるか?」

が共通の思いでした。

眠る直前に小泉が「企画書書くだろ!」と

話しかけてきたので

「ああ、書く」と私は答えました。

ところが、いざ書こうとすると、

何も書けません。

2、3日悶々として書いた企画書は

「ここに水が見える人がいる。

その水で作った現場がある。

水が見えない私には、

この人が作った現場を訪ねて対象と

語り合う全てを記録するしかない。」

というたった2行のものでした。

撮影方法も悩みましたが、

あれこれ手を加えずに内水博士と

現地の方との会話を

全て映像として記録することにし、

小泉も「それしかない」と了解してくれました。

そして取材したのは、全国10箇所。

酪農、養鶏、養豚といった

畜産の現場をはじめとし、

団地の排水処理施設や食品加工団地、

たくあん工場も訪れました。

取材期間は6か月、

回したビデオテープは1時間もので120本。

私はその全てを大学ノートに書き取りましたが、

朝9時から夜10時までやって、

2週間掛かりました。

しかし、そのお陰で、

水と土の原理と取材した映像に

何が映っているのかが理解できました。

そしてその映像は

酪農・養豚・養鶏・耕作・生活排水・食品加工と理論編の

それぞれ1時間の6本にまとめました。

合計6時間の超長編ですが

「もうこれ以上は私の力では短くできません」

と言って、

内水博士をはじめ関係者に見てもらいました。

6時間の試写を終わって、

内水さんの「このままで良いじゃないか」の

一言をいただき、

そのまま仕上げと編集を行い、

ビデオとして出版。

全国の農業関係者に販売されました。

それにしても6時間は長すぎるというので、

畜産編・排水処理編・理論編の

3巻にまとめたのです。

そんな作業を1年間集中してやったお陰もあり

いまでは「水をつくる」仕事をしています。

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