前回紹介した鍛冶師の鈴木康人さんは、
織染め師のご夫人と二人で
「omoto(おもと)生活の中の布と鉄」
という工房を、
福島県のいわき市で営まれています。
インターネットでも
「omoto(ローマ字の小文字で読んでください)生活の中の布と鉄」で検索できます。
最初の出会いは13年前ですが、
青い包丁が出来てからの評判が高く、
1年に4回開かれる展示即売会では
すぐに売り切れ、
注文すると2年待ちという人気です。
夫人の智子(ともこ)さんは織染め師で、
柿渋と藍染の作品を展示販売しています。
その染め上がりも
「水つくり」の水では違うと仰います。
私が「どうちがうの?」と尋ねましたら、
しばらく考えて
「うーん、余計なものがない・・かな」でした。
皆さんはどう感じられるか、
是非検索頂き確かめて頂けたらと思います。
私は上着を1枚持っていますが、
とても着心地が良くて大事に使用しています。
この智子さんが2011年5月10日のブログに「omotoの包丁が出来るまで」を
「あっ!私包丁がどうやって出来るかちゃんと知らなかった・・。」という書き出しで、(https://chisouan.exblog.jp/12552115/)
夫に頼んで初心者にも分かるように
教えてもらったと
写真入りで載せてくれている記事が
とても面白く、
鍛冶水(かじみず)の役割も
そこでよく分かります。
そこで紹介されている包丁は、
二枚打ちという特別に薄い仕上がりの
菜切り包丁です。
薄い菜切り包丁の刀身には、
北斗七星やスバル星座やオリオン星座の形の
穴が空けられて、
人気を集めているomotoの代表作です。
そんな薄い包丁が打てることにも、
水つくりの水が関わっているようです。
包丁の背が何故青みがかって出来るのかは
分かりませんが、
鈴木鍛冶師がもう一つ挙げる
水の効果があります。
刃物は鋼(はがね)を鉄で包んで
打ち合わせて作られますが、
鋼(はがね)と鉄のくっつき具合が重要で、
水が悪いと剥がれやすくなり、
捨てるものが出るといいますが、
水つくりの水を使ってからは
「一本も出てない」とのことです。
鋼と鉄の溶着(ようちゃく)が、
何故良いのかを解明することも今後の課題です。